2008312
建築技術見学会について

 技術対策委員会主催の第32回建築技術見学会「越中富山 風土に根ざした伝統構法」が2月17・18日に行われました。
 17日朝、羽田空港は快晴。でも日本海側は大雪の天気予報、富山空港の天候を調査中との放送が再三流されていました。それでも搭乗口への移動が案内され待機していましたが、出発時刻を過ぎても飛行機への搭乗は始まらず、結局は欠航となってしまいました。
 それから参加者全員で電車での富山行きを確認、空港で切符を手配後モノレールで浜松町へ、東京駅から新幹線で越後湯沢駅、そこから特急「はくたか」で富山駅。到着時刻は午後3時少し前でした。
 当初の予定ではこの日は「五箇山」と「瑞龍寺」の見学でしたが時間の関係で「瑞龍寺」のみ急いでの見学となりました。富山空港から富山駅に廻ってもらったバスには、先に富山に来ていたカレッジの藤沢校長と案内をしていただいた「職藝学院」上野幸夫教授が待っていてくれました。
 曹洞宗高岡山瑞龍寺は加賀二代藩主前田利長公の菩提をとむらうために建立された寺で山門・仏殿・法堂が国宝に指定されています。雪降る中、夕暮れの見学となりましたが、上野先生の建物などの復元での苦労話やエピソードをうかがいながら閉門時間を過ぎるまでなかなか体験できない貴重な体験でした。
 二日目は「職藝学院」と「八尾の町並み」見学の予定に先行して、どうしても「五箇山」を見たいという参加者の希望に応えました。
世界遺産「五箇山集落」では、まず一番大きな合掌造りの「岩瀬家」を見学。いろりにあたりながら当主の説明を聞き、奥さんに「こきりこ」をうたってもらいました。
 菅沼集落は車窓から見学、相倉集落では雪道を徒歩で散策。到着前バスのなかで上野先生から牛乳が美味しいとの話があったので、お土産屋さんのビン詰め牛乳が売れ切れました。
 「職藝学院」では昨年の夏、第10回公開講座で講師をしていただいた島崎英雄棟梁が迎えていただきました。「職藝学院」は大工・家具・建具および造園・園藝のプロ養成を目的に平成八年に創られた専門学校です。
 広いキャンバスでは、生徒たちがいろいろな実技に取り組んでいました。狭いスペースで作業しているカレッジの生徒を思うと「東京土建でもなんとかできないだろうか」とのおもいは多くの方がもったと思います。
 富山市八尾町(やつおちょう)では、島崎棟梁のてがけたコミュニティセンターを見学、「おわら風の盆」で有名な町並みをほんの少しだけ散策してから富山空港にむかい、帰路となりました。
 アクシデントのため駆け足の見学会となってしまいましたが、ケガ・病気もなく、それなりの貴重な経験のできた二日間だったと思っています。